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記事: Blog2_Post
執筆者の写真pöllö=ポッロ

夏鳥の名がつく身近な秋草“杜鵑草”

鳴き声を「テッペンカケタカ」と“聞きなし”する、夏鳥のホトトギス。姿を見たことが無くとも、初夏の訪れを伝えてくれる、だれもが知るお馴染みの野鳥です。


そんなホトトギスの名がついた植物が、ホトトギスTricyrtis属)のなかまです。


初秋を迎え、うす暗い林を散策すると、4種のホトトギスのなかまを、よく見かけるようになりました。

身近なホトトギスのなかま4種


ホトトギスのなかまは世界に約20種知られ、12種が日本に生育しています。そのうち、10種が日本固有種です。埼玉県ではそれほど多くの種は見られませんが、ここで紹介する4種(タイワンホトトギスは植えていたものが野生化している)は、身近な雑木林などで観察することができます。


ホトトギスの花をよく見ると、斑紋があるのに気づきます。この斑紋が、野鳥のホトトギスの胸にある模様と似ていることから、ホトトギスと名がつきました。


さて、ホトトギスとタイワンホトトギス、ヤマホトトギスとヤマジノホトトギスはよく似ていますが、ポイントを抑えれば、それぞれおおよそ区別することができます。


まぁ自然相手なので絶対ではありませんが……。

花のアップ。種類は上の画像と同じ並び


ホトトギスとタイワンホトトギスくらべ

  • 葉の脇(葉脇)に花をつけるのがホトトギスで、枝が分岐し、それぞれに花をつけるのがタイワンホトトギス。

  • 葉にたくさんの毛が生えているのがホトトギスで、葉に光沢があるのがタイワンホトトギス。


ヤマホトトギスとヤマジノホトトギスくらべ

  • 花被片が反り返っているのがヤマホトトギスで、咲きたては花被片が平たく開くのがヤマジノホトトギス。ただし、花終わりのヤマジノホトトギスの花被片は下に垂れ下がる。

  • 花が散房状に枝分かれしてつくのがヤマホトトギスで、花が葉の脇(葉脇)にほぼ単生するのがヤマジノホトトギス。


フィールドワーク中、よく似た種以外にも、痕跡などいろいろと目にします。例えば、ケモノの足跡フンなどなど。


なんとな〜くでイイので、それぞれの識別ポイントをおさえておくと、種のあたりをつけることができますし、あとから種を同定するのにも役立ちます。


分 類 / ユリ目 ユリ科 ホトトギス属

和 名 / ホトトギス(杜鵑草)

学 名 / Tricyrtis hirta

花 期 / 8-9月

生活型 / 多年草

分 布 / 北海道〜九州


分 類 / ユリ目 ユリ科 ホトトギス属

和 名 / タイワンホトトギス(台湾杜鵑草)

学 名 / Tricyrtis formosana

花 期 / 9-10月

生活型 / 多年草

分 布 / 西表島・台湾(野生化したものが各地で見られる)


分 類 / ユリ目 ユリ科 ホトトギス属

和 名 / ヤマホトトギス(山杜鵑草)

学 名 / Tricyrtis macropoda

花 期 / 7-9月

生活型 / 多年草

分 布 / 北海道〜九州


分 類 / ユリ目 ユリ科 ホトトギス属

和 名 / ヤマジノホトトギス(山路杜鵑草)

学 名 / Tricyrtis affinis

花 期 / 8-10月

生活型 / 多年草

分 布 / 北海道〜九州

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