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「朝顔の花」こと秋の七草のひとつ「桔梗」

秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花

萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花


これは『万葉集』にある、山上憶良の歌二首で、これが「秋の七草」となりました。


和歌の中にある「朝顔の花」には諸説ありますが、一般的に「キキョウ」のことを指しています。


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開花したキキョウ


キキョウ『万葉集』のほか、『古今和歌集』『枕草子』などにも登場します。古くから日本人に親しまれてきた、野草のひとつです。


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紙風船のようにふくらんだキキョウのつぼみ


キキョウの花は、咲き進むにつれて、性を変化させることで知られています。


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花粉をはき出したキキョウ


❶ 若い雄しべは直立して未熟な雌しべをとり囲み、開花すると葯から花粉をはき出します

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花粉を出し終えたキキョウ


❷ 花粉を出し終わると、雄しべはしなびて倒れます

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柱頭を開いたキキョウ


雌しべが熟すと柱頭は5裂して開き、虫が運んできた他の花の花粉を受けます。


キキョウはこうして、自家受粉ではなく、「雄性先熟による他花受粉」という戦略をとることで、遺伝的多様性を高めているのです。


植物の生存戦略、カッコいいです。



分 類 / キク目 キキョウ科 キキョウ属

和 名 / キキョウ(桔梗)

学 名 / Platycodon grandiflorus

花 期 / 6-9月

生活型 / 多年草

分 布 / 日本全国

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