近所のセイヨウシナノキで観察できる、タケウチトゲアワフキの幼虫巣を見にいくと、樹上に見慣れない色のハラビロカマキリのメスがいました。
黄色いハラビロカマキリのメス
ハラビロカマキリは樹上性ハンターで、枝先などで獲物を捕獲したり、産卵も主に樹上で行ったりします。この黄色いハラビロカマキリのメスも、腹部がパンパンに膨れているので、産卵をしようとしているのかもしれません。
ハラビロカマキリの緑色型成虫と褐色型幼虫
ハラビロカマキリは、緑色型と褐色型は知られていますが、稀に、このような黄色い個体が見つかるようです。ちなみに黄色いハラビロカマキリは、3度目の遭遇……かしら。
カマキリ類以外でも、以前紹介したピンク色のショウリョウバッタのように、昆虫には体色(色素)を決めるための遺伝子の変異が出て、通常とは違った色の個体が稀に現れます。
ピンク色のショウリョウバッタのメス
ただしピンク色など、通常とは異なる体色では自然界で目立ってしまうために、鳥などの天敵から見つかりやすく、成虫まで育つことは少ないと言われています。
兎にも角にも、生きものを多く観察していると、通常とは違った「希有」な個体と出会う機会が増えるようです。そして、姿や形だけではなく、生きものの「ミステリアスな生態」に出くわすこともね。
分 類 / カマキリ目 カマキリ科 ハラビロカマキリ属
和 名 / ハラビロカマキリ
学 名 / Hierodula patellifera
体 長 / ♂40-60mm ♀50-70mm
分 布 / 本州〜九州・沖縄
分 類 / バッタ目 バッタ科 ショウリョウバッタ属
和 名 / ショウリョウバッタ
学 名 / Acrida cinerea
体 長 / ♂40-50mm ♀75-80mm
分 布 / 本州〜九州・南西諸島
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