ムササビには、季節によって好む「旬の食べもの」があります。
長年通うフィールドのムササビにとって、今が旬の食べものは「カエデ類の種子」です。
ムササビの通勤路に落ちていたイロハモミジの枝
最近はムササビの通勤路を見てまわると、イロハモミジの枝がよく地面に落ちています。
枝を拾ってよく見ると、枝先に残る若い果実が割られて、中にあるはずの種子が食べられて無くなっています。
イロハモミジの若い果実。割られて中の種子が食べられている
地面に落ちているのは、枝だけではありません。地面に散乱する若い果実も、ことごとく割られていて、中にあるはずの種子が食べられています。
種子が食べられて地面に落ちていたイロハモミジの若い果実
ムササビが食べたイロハモミジの種子は、直径3-4mmです。
ムササビを人のサイズで表すと、種子はマカデミアナッツほどの大きさかしら。
イロハモミジの若い果実と直径3-4mmの種子
「カエデ類の種子」の栄養価がどれだけ高いのかはわかりませんが、わざわざ果実の中の種子だけを食べるということは、ムササビにとって大切な「旬の食べもの」なのでしょう。
でも、果実ごと食べちゃえばいいのにね、何故わざわざ・・・・・・。まぁ果実が熟していないということは、カエデ類にとって大切な種子を食べられたくないわけだから、毒というか、苦味が強いのかも 。
とは言っても、秋の熟した果実であっても種子だけを食べているしな〜。ムササビにとって種子を覆う果実部分は、ラッカセイの果実(鞘)で例えれば、かたい種皮(子房壁)であり、食べない部分なのかも、ね。
思い起こせば、ニホンリスの採餌を観察していると、潔癖なまでに細かい殻までペッペッと口から出して、種子だけを器用に食べているので、同じ「齧歯目(ネズミ目)リス科」のムササビも、そのような食べ方がデフォルトなのかしら。
最近動向を追っている若いムササビ
秋が深まるにつれて、ムササビの「旬の食べもの」も変わっていきます。
例年だと、ぼちぼちスダジイやコナラなどのドングリを好んで食べる時期に突入かしら。
(pöllö=ポッロ)
分 類 / 齧歯目(ネズミ目)リス科 ムササビ属
和 名 / ムササビ
学 名 / Petaurista leucogenys
頭胴長 / 27.2-48.5cm
尾 長 / 28-41.4cm
体 重 / 495-1250g
分 布 / 本州〜九州
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