ヘビーウィークということで、蛇メタ師匠、ガロア、黒マンバと、2日おきにモリマナメンバーで綴ってきたヘビネタも、これでFINAL。
ヘビについて、何を紹介しようかと考えていたところ。そういえば、
「埼玉県で観察できるヘビの中で、一番馴染みのない種って、いったいなんだろう?」
と思い、馴染みのないヘビについて紹介することにしました。
飯能では、埼玉県で案外少ないといわれるシマヘビはそこそこ見かけるし、タカチホヘビやシロマダラ、ニホンマムシは、身近なヘビであるアオダイショウよりも数倍観察しています。理由は、pöllö=ポッロはケモノ観察がメインなので、おそらく夜行性のヘビと出合うチャンスが多いのが理由。ヒバカリやヤマカガシは、水辺で狙って観察できるヘビだし……ね。
(埼玉県というか、本州産のヘビ全種は以前掲載しているのでコチラから)
ジムグリの成蛇
となると、一番馴染みのないヘビといえばジムグリ。
ジムグリは、年に2、3頭観察できればめっけもののヘビなのです。
北海道から九州とその周辺の島に生息する、日本固有種のジムグリは、蛇メタ師匠いわく、アメリカで人気No.1のヘビらしい。漢字で「地潜」と書く通り、ふだんは野ネズミやヒミズが掘った穴やトンネル内などに潜んでいるので、出合うチャンスが少ないのです。
飯能では、山地のやや湿った林縁部や、谷沿いの畑の周りで見かけはしますが、薄暮時に活動することが多いせいもあり、また見つけづらいのも相まって、観察が難しいのかもしれません。
ジムグリの幼蛇(黒斑のない個体はアカジムグリと呼ばれる)
そんなジムグリですが、今年の観察記録は5頭! 今までに、もっとも数を観察できているのかも。しかも、今年はジムグリの幼蛇2頭と出合えているので、ラッキーイヤー。
ジムグリの成蛇の、渋みのある銅色も美しいのだけれども、幼蛇は別種なのでは!? と見間違ってしまうほど、成蛇とはまた違った魅惑の美しさがあります。また、成蛇・幼蛇ともにある、頭部の「V」や「ハ」の字模様がカッコいい!
目立ちそうですが、案外と薄暮時に見つけるのは難儀
それにしても、この幼蛇のド派手な体色は、警戒色なのかと思いきや、暗い地面の上にいると、これがなかなか目立ちません。生きものの生きるための妙技、いやはや、すごいね。
ジムグリ成蛇の腹板
ジムグリといえば個人的に、この腹板の市松模様がたまらんのですよ。地域や個体によってバリエーションがあるけれど。何度、何度、美しいと言っても、言い足りない……のです。
ジムグリの頭部(画像は©蛇メタ師匠)
体色や模様だけではなく、ジムグリをじっくり観察すると、特徴的な形態が見えてきます。
例えば、頭部を見ると、上あごが下あごに被っています。これは、土に潜りこむのに適した形態なのだそうです。他にも、まだまだ……。
そんなジムグリですが、9月25日に開催するエコツアー、「モリマナ秋のヘビ祭りー蛇ブルヘッ蛇!ー昼編ー」と「モリマナ秋のヘビ祭りー蛇ブルヘッ蛇!ー夜編ー」で、もしかすると出合えるかもしれません。
当日のメインガイドは、もちろんヘビとなれば、蛇メタ師匠と黒マンバの師弟コンビが行い、pöllö=ポッロはといえば、前回のヘビエコツアーと同様、別働隊で、ひとりヘビ探しでフォローアップ。ご興味ある方は、ぜひご参加くださいませ。
(pöllö=ポッロ)
分 類 / 有鱗目 ナミヘビ科 ジムグリ属
和 名 / ジムグリ
学 名 / Euprepiophis conspicillatus
全 長 / 70-100cm
分 布 / 北海道〜九州と周辺の島(日本固有種)
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