pöllö=ポッロは夜行性のケモノ観察がメインなので、馴染み深い鳥と言えばフクロウです。
ヤマアカガエルの産卵場付近に現れたフクロウの成鳥
ニホンカモシカの観察ポイントでフクロウが繁殖していたらしく、早春から頻繁に姿を見せていました。ヤマアカガエルの産卵期には、水辺に集まるカエルを狙って、お気に入りの止まり木と水辺を往来する様子も観察ができ、GW明けにはヒナが無事に巣立ったようで、今はにぎやかな鳴き声を聴くことができます。
フクロウのフレッシュなペリット。ネズミ類の毛と骨のかたまり
今年はトウキョウサンショウウオの卵嚢調べで、たくさんの谷に入ったこともあり、サンショウウオ以外にも、いろいろな発見がありました。そのひとつが、フクロウのしわざ「ペリット、またはペレット(pellet)」です。
ペリットは、主に動物食の鳥類が食べた獲物の毛や骨など、消化することのできないものをかたまりとして吐き出したものです。そのため、ペリットを調べることで、吐き出したヌシの食べた獲物が何だったのかを知ることができます。このペリットは、ネズミ類(たぶんアカネズミ)の毛と骨がギュッと詰まっていました。ちなみに、ペリットが落ちている付近には、ヌシの排泄物もいっしょに見つかるので、合わせて観察するのをおすすめします。
フクロウのペリットには、警戒心が強くてすばしっこいネズミ類が含まれていることが多く「よくもまぁ、捕まえることができるよ〜」と、その能力に一歩も二歩も・・・・・・いや、1000万足譲られます。
フクロウの風切羽
フクロウは優秀なハンターです。暗やみを羽音も立てずに飛び、正確に獲物の位置をとらえて捕獲します。そのひみつのひとつが、羽のつくりにあります。鳥類の多くは、羽ばたくときに空気のうずが大きくなり「バッサ バッサ」と、音がたちやすくなります。しかしフクロウの場合は、羽のふちがくしのようになっていて、この部分が空気のうずを小さくすることで、音がたちにくいのです。
有名な話ですが、新幹線500系のパンタグラフはフクロウの羽のつくりが応用されて、風を切る音を小さくすることができたそうです。このように、生きものの形態や仕組みなどをまねたり、ヒントを得て製品を開発し、人の生活に役立てているものはたくさんあります。このようなことを「バイオミメティクス」と呼びます。
フクロウも然りですが、生きものの能力というかスゴ技には、ただただ、うつけたように立ち尽くすしかありません、よね。
(pöllö=ポッロ)
分 類 / フクロウ目 フクロウ科 フクロウ属 和 名 / フクロウ
学 名 / Strix uralensis 全 長 / 50cm
鳴き声 / ゴゥホウ ゴロッケゴゥホウ 生活型 / 留鳥
分 布 / 九州以北
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