飯能産トウキョウサンショウウオの卵嚢調査のため、2日後にモリマナメンバー3人で入る予定の谷を、先発隊としてひとりフィールドワーク。
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調査をする谷(やと・やつ)の全景
この谷は、入り口付近にそこそこの産卵地があるのを、前回来たときに確認済みなので、今日はとにかく未確認の細かな谷を攻めることに。
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林際の浅い水溜まり場で見つかった卵嚢(卵数 30・32)
天気が良く、心地よい風も吹き、気温は20℃。ふつうに山歩きをするのなら最高のコンディションですが、卵嚢探しとなると、中腰キープで風の入らない谷間の低湿地をドロにはまりつつ、やぶ漕ぎしながら沢をのぼるので、案外と熱いし腰は痛いしでツライ……。3時間ほどかけて、めぼしい谷の確認終了。結局、谷のドン突き近くの林際で、卵嚢を1セット発見したのみでした。とは言っても、見つからないのもデータなので、これはこれで重要。 それにしても、この浸食によってできた谷、約40年前まではこんなに奥まで田んぼとして機能していたのだから、おどろかされます。
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環境は悪くないのだが……なぜ?
谷のドン突きの急勾配を這うようにしてのぼると、気持ちが良い尾根に出ました。谷間で足下ばかり見ていたぶん、陽春の開放感がものすごく、イイ。春風にあたりながら一休み。尾根にできた草地に目をやると、越冬明けのツチイナゴの成虫が跳び回っていました。
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春風が気持ちいい
名栗川(入間川)の左岸側の谷は、共通して一見雰囲気は良いのだけれど、トウキョウサンショウウオの生息状況はいたって厳しい印象……おそらく、産卵場の減少・谷と谷周辺の森の乾燥化・アライグマの侵入・過剰管理などの影響が、複合的にひびいているのかな。右岸側との相違もフィールドワークを通して見えてきて、考察するためのデータがいろいろと揃ってきたね。
(pöllö=ポッロ)
分類 / 有尾目 サンショウウオ科 サンショウウオ属 和名 / トウキョウサンショウウオ
学名 / Hynobius tokyoensis 全長 / 80-130mm
分布 / 本州(群馬県を除く関東地方と福島県の一部)