4月10日エコツアー終了!
前回2月13日に引き続き、トウキョウサンショウウオの保全活動をしました。
前回のエコツアーでは、水路を広げて落ち葉や木の枝などを置き、トウキョウサンショウウオが隠れて卵のうを産み付けられるような場所を、参加者の方と一緒に作りました。
今回のエコツアーでは、どれだけ産まれたのか確認をして、卵のう内の卵数も記録!
また、見つけた卵のうを落ち葉の下などに隠すところまで行いました。
活動地は前回と同じ休耕田で、参加者は10名。その中には、前回参加してくれた元気な男の子が2人、来てくれました!
さらに、スタッフは前回の3人でなく、参加者だったセローがスタッフ側で初陣!
総勢14名でエコツアー開始!
いい天気の中スタート
午前中は、卵のうの探し方、数え方などを説明したあと、調査する区画を決めて、場所ごとに卵のうを探して卵数を記録しました。卵のうを探していると、早速発見!
落ち葉に産み付けられた卵のう
作業をする元気な男の子。今回も半そで半ズボンで参加!
画像には卵のうが1つ(2房)しかありませんが、トウキョウサンショウウオは、この三日月型の卵のうを1頭のメスが2つ(2房)産みます。その卵のうを、落ち葉を手でめくったり、熊手を使ったりして参加者は見つけてくれました。
最初の区画では8つの卵のうを発見!
卵のうを探す参加者!
見つけた卵のうを1人に1個渡し、卵数カウントタイム。卵のう内の卵を数えてもらいます。
頑張って数えてもらいました
参加者のみなさん、目を凝らして苦戦している様子でしたが、何とか数え終わり次の区画へ。はじめの区画で卵のうを見つけて、目が慣れた参加者は、卵のうをバンバン見つけてくれました!
「ありました!」と参加者の声がいろんなところから聞こえ、卵のうを入れるケースを交代で持っていた黒マンバとセローは右往左往。すると、ガロアさんが何を発見。
トウキョウサンショウウオの死骸
トウキョウサンショウウオの死骸でした……。
首辺りは赤くなっており傷がありました。ポッロさんに聞くと、アライグマとは違った印象なので、イエネコがかみ殺したのかもしれないとのこと、傷口や体を参加者と観察した後、卵のう探しと数の記録!
この頃には、参加者のみなさんも、流れをつかみ、会話を楽しみながら記録しています。
そして次の区画へ移動してすぐに
「いたぁぁあ!」と、参加者の方から興奮した声が、なんだ? と、近くに行ってみると。
念願のトウキョウサンショウウオの成体
なんと、トウキョウサンショウウオの成体が見つかりました!
これには全員大喜び、一度作業を止めて観察タイム!
スタッフ4人も、成体が見つかったことに安堵しました。
観察が終わり、卵のうを探し始めると、間髪入れずに「またいました!」と声が
まさかと思い見に行くと、やはりトウキョウサンショウウオ! 2頭目です。
この日4頭見つけていましたが興奮して撮り忘れてました by黒マンバ
さらに、卵のうも22個も発見!
他の区画と比べるとそこは一番多く見つかり、午前はそんな発見の嵐で終了!
ひとつの谷戸の卵のうは、合わせて57個あり記録も完了。
午前の作業は終了!
途中昼ごはんの時間を挟んだのですが、黒マンバが参加者におやつを用意しました!
机を出してポッロさんに手伝ってもらう黒マンバ
作った品は白玉が主役のフルーツポンチ!
白玉が冷凍で売られていたため、解凍してフルーツとサイダーを入れて完成!
黒マンバ「黒マンバのトロピカルホワイトボール完成でーす!」
とおやつに変な名前をつけて皆さんに提供〜(笑)。
参加者は「美味しかったです」と言って完食してくれました!
腹ごしらえも終えて午後の作業開始!
午後は、隠れる場所などを作り、卵のうと成体を戻しました。
前回と同じく、クマデやクワを使い、場所を作り相談して卵のうを置いて行ってもらい、大きい倒木を上手に配置して、水がたまる場所を作りました。中でもスゴかったのは、倒木と枝を組み合わせて、作ったシェード、誰が言ったか「T島マンション!」。
水路全体を暗くし、安心できそうなトンネルでした。写真を取り忘れてしまったのが残念です。くやしい〜!
卵のうや成体を戻し終わり、終了~とその前に! 黒マンバとセローが計画していた野生動物についての話を最後にします!
じつは下見のとき、動く物に反応して撮影を始めるトレイルカメラを木の幹に仕掛けていました。
カメラに映っていたのはニホンジカとニホンアナグマ、それ以外にもセローが現地で撮ったというニホンカモシカも見てもらいました。
映っていたシカの動画
今回水場を必要とするトウキョウサンショウウオをテーマにエコツアーを企画しましたが、水辺はトウキョウサンショウウオだけのものではなく、いろいろな野生動物が利用していること。その結果、卵のうが動物に踏まれたり、泥浴びの際、卵のうを壊してしまうということも起こりうること。でも、泥浴びをすることで、地面が掘られて、水がたまり、産卵場所として、トウキョウサンショウウオが利用する可能性もあること。など、生き物の関わりの多様性を2人で解説しました。
ガロアさんが動画を撮っていたのでセローを少し紹介
セローは初参上の初舞台でしたが、黒マンバよりしっかりと話を披露し、初めてとは思えないほどの活躍ぶりでした。
黒マンバ(次からセロー先輩って呼ぼうかな~)
セローの活躍や参加者の手際のよさのおかげで、2回にわたった保全活動は無事に終了!
参加者は全員、成体や卵のうを見つけていて大成功だったと黒マンバは思っています!
次はどういったエコツアーを行うのか乞うご期待!
作業を終えてパシャリ! みなさん、お疲れさまでした!
(黒マンバ)
分類 / 有尾目 サンショウウオ科 サンショウウオ属
和名 / トウキョウサンショウウオ
学名 / Hynobius tokyoensis
全長 / 80-130mm
分布 / 本州(群馬県を除く関東地方と福島県の一部)
分 類 / 食肉目(ネコ目) イタチ科 アナグマ属
和 名 / ニホンアナグマ
学 名 / Meles anakuma
頭胴長 / 57.6-68.2cm
尾 長 / 12-15.8cm
体 重 / 4.6-9㎏
分 布 / 本州〜九州(日本固有種)
分 類 / クジラ偶蹄目 シカ科 シカ属
和 名 / ホンシュウジカ(ニホンジカ)
学 名 / Cervus nippon centralis
体 長 / 90-200cm
肩 高 / 130-160cm
体 重 / 50-85kg
分 布 / 本州〜九州
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