お久しぶりです。セローです!
今回は、個人的にこの時期の恒例行事になってきた、トウキョウサンショウウオの産卵地保全作業についてです。
モリマナエコツアーとしては昨年に引き続き2回目の開催になります。
ちょうど1年前に開かれた同ツアーは、セローがこの森のフィールド学舎に出会った日でもあります。そんな思い入れの強いツアーの開催に気合が入ります。
この日の参加者は7名。
トウキョウサンショウウオの分類や生態の解説をしながら谷戸(休耕田)に入っていきます。
トウキョウサンショウウオの産卵のカギは、水量、水の流れ、水温、日照、天敵対策です。
まず、幼生が秋に上陸するまで干上がらない程度の水量の確保や、水の流れのないところに産卵する習性を考えつつ水温や日照時間を考慮した環境づくりをします。
様々な道具を駆使して水場を拡大します。
大きな石を運び、本流への流れをせき止めることで水量を調整します。
昼休憩では、すっかり名物になっている?黒まんばによるホワイトボールの時間。
今年も大好評で、ぴったり完食しました。
食べ終わった子供たちが、谷戸を探検し何かを発見したようです。
なんと、1つ目のシカのような獣が鳴きながらこっちを見ていたのだとか!
未知の生き物に遭遇したときのワクワクと興奮はフィールドワークの醍醐味です。
時間が押してはいましたが、ここはセローも黒まんばも一緒に探します。
・・・しかし残念ながらセローの目には見えませんでした。悔しい!
でも本当にいるんですよね、何者かわからない生き物が・・・!
午後は産卵しに水場に降りてくる成体の天敵・アライグマ対策の隠れ家を作ります。
ここでは、昨年も参加してくれたSくんがその経験を活かし、率先して隠れ家の設計を手伝ってくれました。
全員で考え、意見を出しながら建設し、最終的には立派な隠れ家が完成しました!
名前は多数決で”サンショウウオ御殿”に決定!!!
春にはここにたくさんの卵嚢が溢れていることに期待!
そんなこんなで、生き物探しをする暇もなく約3時間の作業は無事終了。
皆さん予想以上に泥だらけになるまで作業してくれました。
最近、小学生の方と関わることが多いのですが、その若い力に毎回驚愕させられます。
「十数年前の俺はこんなに漲っていただろうか」と。
最後に全員で記念撮影。
ツアー後はスタッフ3人で、反省会をしました。今回初めてメインガイドを務めたセローは不安でいっぱいでしたが、参加者の皆さんが楽しんで作業してくださり、ポッロさんと黒まんばさんからの評価も上々だったので一安心です。セローはくたびれて家に直帰しましたが、2人はその足で山の方に消えていったみたいです。なんという体力・・・!
余談はさておき、このトウキョウサンショウウオ保全ツアーは4月に行われる第2部~産卵地の確認作業編~につながります。
数が減少し、近年なかなか見れなくなったトウキョウサンショウウオの卵嚢を皆さんの手でカウントし、記録します。
今回、真剣にセローの話を聞いていただき、自ら生息環境に触れ、考え、作業し、トウキョウサンショウウオに対する思いと理解が深まったのではないでしょうか。ぜひ4月のツアーでは、その目でトウキョウサンショウウオの存在と愛くるしさを確認していただけたらと思います。
ご参加お待ちしております!
(セロー)
分 類 / 有尾目 サンショウウオ科
和 名 / トウキョウサンショウウオ
学 名 / Hynobius tokyoensis
全 長 / 80-130mm
体 長 / 50-70mm
分 布 / 本州(群馬県を除く関東地方、福島県南部)
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