ヘビトンボ類は、ちょっと強面の水辺に暮らす大型の昆虫です。名前がヘビとトンボのコラボで、漢字では蛇蜻蛉と書きます。頭部にある大顎でかみつき、容姿がトンボに似ている!? ことからこの名前がついたとされています。となると、英名を Snake dragon fly.と直訳したくなりますが、残念ながら Dobson fly.です。
左上 ヘビトンボ / 左下 ヤマトクロスジヘビトンボ / 右 タイリククロスジヘビトンボ
ヘビトンボ類のうち、褐色のヤマトクロスジヘビトンボとタイリククロスジヘビトンボの成虫は、4〜5月から姿を見せますが、黄色いヘビトンボは少し遅れて6月ごろに現れます。夜行性の昆虫で、昼間は川岸などの水辺に生えた草木の葉の上で、翅を腹部の上に屋根型にたたんで休んでいますが、薄暮時になると活動をはじめ、灯火にもよく飛来します。また、樹液場にもよく訪れるので、見かけたことのある方もいるのではないでしょうか。
ヘビトンボ類は幼虫期を水中で暮らし、カゲロウの幼虫などの水生生物を捕食します。水質汚濁の影響を受けやすいことから、河川の水質を知る上で指標となる水生生物のひとつとして知られています。ざっくりと言えば、ヘビトンボ類の幼虫は、きれいな水にすんでいることになっています。
ヘビトンボ類の幼虫は孫太郎虫とも呼ばれ、串焼きにして食べたり、黒焼きにして粉末にしたものが、子どもの疳に効く「和方薬」として知られています。実際に素揚げにして食べたことがありますが、スナックのような風味で美味しかったですよ。ちなみに、同じ水生生物のキイロカワゲラ類の幼虫は、かなりの美味でした。
(pöllö=ポッロ)
分 類 / 脈翅目(アミメカゲロウ目)ヘビトンボ科 ヘビトンボ属
(広翅目(ヘビトンボ目)ヘビトンボ科 ヘビトンボ属)*狭義
和 名 / ヘビトンボ
学 名 / Protohermes grandis
前翅長 / 45-60mm
分 布 / 北海道〜九州
分 類 / 脈翅目(アミメカゲロウ目)ヘビトンボ科 ヘビトンボ属
(広翅目(ヘビトンボ目)ヘビトンボ科 ヘビトンボ属)*狭義
和 名 / ヤマトクロスジヘビトンボ
学 名 / Parachauliodes japonicus
前翅長 / 40-50mm
分 布 / 本州〜九州
分 類 / 脈翅目(アミメカゲロウ目)ヘビトンボ科 ヘビトンボ属
(広翅目(ヘビトンボ目)ヘビトンボ科 ヘビトンボ属)*狭義
和 名 / タイリククロスジヘビトンボ
学 名 / Parachauliodes continentalis
前翅長 / 40-50mm
分 布 / 本州〜九州
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