生きものがつくる「わな」をテーマにした、幼児向けの本の仕事をしてから、最近はクモの生態にはまり、フィールドに出る度にクモが気になって気になって・・・・・・もうタイヘン。
ちまき状の葉巻住居とカバキコマチグモのオス
ほぼ毎日通っている近所の草原に、ススキの葉をちまき状に巻いて「葉巻住居」をつくる、カバキコマチグモがくらしています。カバキコマチグモは毒グモとして有名で、日本では、咬まれる事故が一番多いクモとされています。無論、いたずらしたり、捕まえたりしないかぎり、カバキコマチグモから無闇に咬むことはありませんので、ご安心を。
カバキコマチグモのオス(左)とメス(右)
雌雄とも大きな牙(鋏角)を持っていて、牙の先からは毒を出し、咬まれるとかなり強い痛みがあります。外来種の、イトグモやセアカゴケグモほど毒は強くありませんが、注意は必要です。もし不運にも咬まれてしまい、吐き気や頭痛などがある場合は、すぐに病院で診てもらいましょう。
ススキの葉でつくられた葉巻住居
これがカバキコマチグモの「葉巻住居」です。葉巻住居は葉の先端付近ではなく、葉の中央まではいかないものの、葉の長さでいうと、そこそこ中央寄りにつくります。ススキの葉は、シリカガラスで書いたようにかたいので、あの長さの葉を巻くのは大変だし、そもそも、どのようにしてちまき状に巻いていくのか気になってしかたがない・・・・・・。
つくりかけの葉巻住居
草原で見つかる葉巻住居を観察してまわると、つくりかけを発見。葉に残された痕跡や糸のくくり方などから考察すると、なんとな〜く、ですが「ああやって、こうやって、こんな細工をして巻くのでは!?」と、一筋の光りが見えたような。
フィールドワークは、こうして妄想を膨らましているときが一番楽しいのかもね。
(pöllö=ポッロ)
分類 / クモ目 フクログモ科 コマチグモ属
和名 / カバキコマチグモ
学名 / Cheiracanthium japonicum
体長 / ♀10-15mm ♂9-13mm
分布 / 北海道〜九州
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