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記事: Blog2_Post
執筆者の写真pöllö=ポッロ

花の大きさが日本最大級のフジアザミ

絶賛進行中の!? つぼみをテーマにした本に掲載する植物の撮影をするために、飯能から車で50分ほどで到着する、東京都の奥山へお出かけ。


人里よりも季節が先に進んでいて、すっかり秋、とまではいかないものの、そこそこ秋っぽい空気の中、ホトトギスやツリフネソウなどを楽しみつつ、撮影と観察に勤しむ。


せっかくなので、奥山へ来たついでにこの辺りで見られる、アザミ類の中で日本最大級の花をつけるフジアザミを観察するため、さらに奥山の奥地へ向かう、と……さっそく林道脇に圧倒的存在感がものスゴいフジアザミが登場。

林道脇の砂礫地に生えたフジアザミ


タイミング良くつぼみのバリエーションが揃っていたので、つぼみから開花直前までのようすを撮影。フジアザミはマニアックすぎて、進行中の本には掲載することができないので、モリマナブログで大公開(笑)

フジアザミのつぼみの変化(左から右に若い順)


フジアザミは名前の通り、富士山周辺で多く見られるアザミ類です。


日本固有種の多年草で、高さ50-100cm、ロゼット葉は直径1mにもなります。頭花は両性の筒状花が集まったもので、直径6.5-8.5cm、大きなものでは10cmにもなります。根は太くて長く、富士牛蒡とか須走牛蒡と呼ばれ食用にされました。


またフジアザミは、フォッサマグナ要素の代表的な植物のひとつでもあります。

フジアザミの頭花を見上げて見るとこんな感じ


フジアザミの頭花は下向きにつくので、頭花の全貌は下からのぞかないと見えません。頭花を指でつまもとうとすれば、鋭いトゲの餌食になるので、トゲにふれないよう、そっとカメラを差し入れてのぞきこむように撮影。


フジアザミは、ケモノに食害されることもあると聞きます。このトゲを我慢して食べるなんて驚きです。もしかすると根が食用になるので、ケモノは根を掘って食べているのかしら。


こうして見ると、下に向いてはいるももの、やっぱりアザミ類らしいつくりをしています。

フジアザミに訪花して吸蜜するホシホウジャク


しばらく観察していると、マルハナバチ類やエルタテハ、ホシホウジャクが頭花にやってきて、蜜を吸いつつ、白い花粉を体につけられていました。下向きでも器用に蜜を吸える昆虫たちが、フジアザミ花粉媒介者(ポリネーター)なのでしょう。これだけ大きいと、なかまとシェアできるごちそうなのだろうね。


晩秋にまた訪れて、今度はフジアザミのタネを撮影しないとね。



分 類 / キク目 キク科 アザミ属

和 名 / フジアザミ(富士薊)

学 名 / Cirsium purpuratum

花 期 / 8-10月

生活型 / 多年草

分 布 / 本州(関東・中部地方)

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