秋の旅人、アオジシ谷のフジバカマに立ち寄る

フジバカマに訪花したアサギマダラ
秋のアオジシ谷で、フジバカマの花を訪れるアサギマダラに出会いました。浅葱色の翅をゆったりと羽ばたかせ、花から花へ。
アサギマダラは、長い距離を移動し、ときには海を越えて旅をするチョウです。そんな旅人がアオジシ谷に立ち寄ってくれたと思うと、なんだかうれしくなります。
アサギマダラがフジバカマを好むのには、理由があります。とくにオスは、花などからピロリジジンアルカロイドという成分を取り込み、メスを引きつける性フェロモンをつくるために利用します。花の蜜だけではない、植物と昆虫の不思議な関係です。

林内に生えるキジョラン
そして、アオジシ谷にはもうひとつ、アサギマダラにとって大切な植物があります。それがキジョランです。キジョランは幼虫の食草で、メスは葉の裏などに卵を産みつけます。
今年の初夏にも、開花前のフジバカマでアサギマダラを観察しましたが、いつかメスがやってきて、キジョランに産卵してくれたら。小さな幼虫が育ち、やがてアオジシ谷から新しい旅人が飛び立ってくれたら、こんなにうれしいことはありません。
花を訪れる一匹のアサギマダラから、その先の命のつながりまで想像が広がります。アオジシ谷が、旅の途中の休憩場所だけでなく、次の世代の命を育む場所にもなってくれることを願っています。
分 類 / チョウ目(鱗翅目) タテハチョウ科
和 名 / アサギマダラ
学 名 / Parantica niphonica
前翅長 / 43-65mm
出現期 / 4-10月(成虫)
分 布 / 本州〜九州・沖縄
分 類 / リンドウ目 キョウチクトウ科 キジョラン属
和 名 / キジョラン(鬼女蘭)
学 名 / Marsdenia tomentosa
花 期 / 8-9月
生活型 / つる性常緑多年草
分 布 / 本州(関東)~九州・屋久島・種子島・トカラ列島





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