イナゴといなごの佃煮

コバネイナゴのペア
草むらで、ぴょんっと跳ねたコバネイナゴ。田んぼや湿った草地でよく見られ、イネ科の植物の葉などを食べてくらしています。

コバネイナゴのメス

ハネナガイナゴのメス
名前の通り、ふつうは翅がやや短く、腹の先まで届かないことが多いのが特徴です。よく似たハネナガイナゴは、その名の通り翅が長く、腹の先をこえて伸びます。
ただし、コバネイナゴにも翅の長い個体がいるので、翅だけで決めつけるのは禁物。
似たものを見くらべて、「どこが違うんだろう?」と観察するのも、イナゴのおもしろさです。

コバネイナゴの前足の間にある突起

トノサマバッタの前足の間には突起がない
ところで、「イナゴとバッタは、どこが違うの?」と思ったことはありませんか。じつは、イナゴもバッタのなかま。見分けるときのおもしろいポイントのひとつが、左右の前脚の間にある小さな突起です。
胸の下をそっとのぞくと、円錐形の突起がちょこん。俗に「イナゴののどちんこ」と呼ばれることもあります。ただし、例外もあるので、この突起だけですべてのバッタを分けられるわけではありません。

コバネイナゴの赤っぽい個体

イナゴの佃煮
そしてイナゴといえば、いなごの佃煮を思い浮かべる人もいるでしょう。
現在でも長野県や群馬県などでタンパク源として食用にされますが、昔から全国各地で食べられ、『日本俗信辞典 動物編』を読むと、群馬県や栃木県では、「十五夜のイナゴを食べると産が軽い」など、十五夜と関係する伝承があり、また民間薬として埼玉県では、「イナゴはお産あがりの後腹が病むのによい」と書かれています。
跳ねる姿を見るだけでなく、翅の長さをくらべたり、体の裏側をのぞいたり、人との関わりを調べたり。身近な一匹のコバネイナゴからも、身近な自然がぐっとおもしろく見えてきます。
分 類 / バッタ目 バッタ科
和 名 / コバネイナゴ
学 名 / Oxya yezoensis
体 長 / ♂16-33mm・♀18-40mm
出現期 / 6〜11月
分 布 / 北海道〜九州
分 類 / バッタ目 バッタ科
和 名 / ハネナガイナゴ
学 名 / Oxya japonica
全 長 / ♂17-34mm・♀21-40mm
出現期 / 8〜11月
分 布 / 本州〜九州・奄美大島
分 類 / バッタ目 バッタ科
和 名 / トノサマバッタ
学 名 / Locusta migratoria
全 長 / ♂35-40mm・♀45-65mm
出現期 / 7〜11月
分 布 / 北海道〜九州・沖縄





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