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記事: Blog2_Post
執筆者の写真アンフィー

秋の夜長を鳴き通す 鳴く虫ツアー終了

昔からその美しい声で、私たち人間を魅了してきた鳴く虫たち。そんな彼らの魅力を感じてほしいという思いから開催したのが、先日の鳴く虫ツアーでした。


内容は昼編夜編の2本立てで、それぞれ3組と2組の参加者を迎えることができました。


を迎えた里山で、明るい時間から鳴く虫を中心に、さまざまな生きものたちを観察した昼編は、気持ちの良いおでかけ日和の恵まれた天候の下、のんびりと進んでいきました。


鳴く虫というと、夜外が暗くなってから鳴き始めるイメージが強いかもしれませんが、コオロギ類やササキリ類など、明るいうちからもその声を聞くことができて面白いんです!


道中、天覧入(天覧山の谷戸)の水辺を観察しているときは、ふと姿を現したアカガエルに、参加者のS君とTちゃんは夢中になってくれていました。少し脱線しているけれど、僕が好きな両生類に興味を持ってもらえた、とても嬉しい時間になりました。


オオカマキリの交尾を撮影するWさんと参加者の皆さん


一方夜編がスタートする頃には、空も薄暗くなり、鳴く虫オーケストラたちもより一層盛り上がってきていました。


昼編と同じくまずは、足元から声が聴こえるコオロギたちを捕まえ、一緒に捕まえたオンブバッタなどの鳴かないバッタたちと比べながら、観察していきました。


終始真剣に探してくれていたTさん親子


「あっ!いたっ!!」

お寺の生垣の中で鳴くカンタンを見つけて大はしゃぎ。


Rちゃんがエンマコオロギのオスを遂に発見!


「オスとメスを比べてみよう!」

「オスの綺麗な声を目の前で聴けるかもしれない!」

とオスとメスを同じケースに入れてみたエンマコオロギは、オスがメスにアピールする鳴き声が聞こえただけでなく、オスがメスに精胞を受け渡す特徴的な交尾を様子を見せてくれました。


歩みを止めてじっくり観察中


その後は、ハクビシンやホンシュウジカの光る目を追いかけたり、地面や葉の上の昆虫を見つけては観察しながら楽しみました!


ジョロウグモの立体的なネットは見事な建造物


「あれ?鳴く虫の写真はないのか?」

そう思ったそこのあなた。

安心してください、いくつか撮ってます。

(鳴く虫の姿は観察できたのですが、僕としたことが、鳴く虫以外の生きものの写真ばかり撮っていました)


これはまだ翅の短い幼虫


頭部の尖ったクビキリギスは、キリギリスの仲間で見た目はすらっと細長く、イネ科の葉にそっくりです。「ジーーーッ」と地味な声で鳴きますが、成虫で冬を越すという鳴く虫界では珍しい生態を持っています。



面がすみ黒で、後ろ足の短いシブイロカヤキリです。上のクビキリギスと見た目・鳴き声ともに似ていますが、こちらはなんだかダサカッコイイ印象で、鳴く虫界ではゆるキャラ的な存在だと言われているとかいないとか(笑)。鋭いアゴにはご注意を。


ということで、を通して、さまざまな鳴く虫の声を聴き、観察しながら楽しんでもらえたツアーになったのならとても嬉しいです。


童謡「虫のこえ」には

秋の夜長を鳴き通すという歌詞があります。


鳴く虫の声は、少なくとも江戸時代から人々に愛されてきた秋の風物詩であることは間違いありません。

でも実は、鳴く虫は春からもその声を楽しめる

んです!(僕も最近知りました)


鳴く虫に限らず、身近な生きものの魅力は案外あらゆるところに転がっているものです。


ひとまず、鳴く虫の声も冬本番まで、もうしばらくは聴こえるはずです。


それでは引き続き、良い鳴く虫の秋を。


(アンフィー)


分 類 / 直翅(バッタ)目 コオロギ科

和 名 / エンマコオロギ

学 名 / Teleogryllus emma

体 長 / 25-35mm

分 布 / 本州〜九州、伊豆諸島、佐渡島、隠岐島、対馬


分 類 / 直翅(バッタ)目 キリギリス科

和 名 / クビキリギス

学 名 / Euconocephalus thunbergi

体 長 / 50-65mm

分 布 / 本州〜九州,南西諸島


分 類 / 直翅(バッタ)目 キリギリス科

和 名 / シブイロカヤキリ

学 名 / Xestophyrys javanicus

体 長 / 36-52mm

分 布 / 本州~九州、伊豆諸島

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