フィールドワークをしていると、生きものの拾いモノ・コレクションが集まります。食痕や巣、羽根や体毛などなど。中でもとくに嬉しいのが、ニホンジカのオスの枝角。
角突きをする若いオス
枝角は、オスのシンボルであり、闘争などをする際に使う大切な武器です。立派な枝角を持つ、秋の繁殖期のオスは、近寄りがたい迫力がありますし、実際にオス同士の角突きを目のあたりすると、出会い頭に遭遇したら、やられるかも・・・・・・と、びびります。
ニホンジカのオスの枝角は、1年に1度生えかわります。その生えかわりの時期が春です。どうして春に落角するのでしょう。オスは、繁殖期を終えるとメスをめぐる闘争などがグンと減ります。そうなると枝角の必要が無くなり、枝角を維持するホルモン(テストステロン)がだんだんと減ることで、落角を起こすのです。
谷戸に落ちていた立派な完品枝角
フィールドで枝角を拾うと、リスやネズミ類、キツネなどにかじられていて、案外と完品が見つかりません。なぜなら、枝角はコラーゲンやカルシウムなどでできているので、彼らは天然ミネラルとして摂取しているようです。なので、先を越されないように、頻繁に探さないと、完品枝角はなかなか拾うことができません。
先端をネズミ類にかじられた枝角
春のサンショウウオ調査で、何本も沢や谷戸に入ると大抵ニホンジカの枝角が落ちているで、さて、今年は何本拾えるか楽しみ。フィールドでの拾いモノ・コレクションは、やめられません。
(pöllö=ポッロ)
分 類 / クジラ偶蹄目 シカ科 シカ属
和 名 / ホンシュウジカ(ニホンジカ)
学 名 / Cervus nippon centralis
体 長 / 90-200cm
肩 高 / 130-160cm
体 重 / 50-85kg
分 布 / 本州〜九州
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