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世紀末キノコ「クビオレアリタケ」

日本に生息するアリの中でもひときわ目立つ「トゲアリ」。名前の通り真っ赤な胸部には身を守るためのトゲがあります。まるで世紀末でも生きていけそうな見た目ですが、今回の主役はトゲアリではありません。


以前書いたトゲアリのブログはこちらから

胸部のトゲが美しい


冬虫夏草というキノコをご存じでしょうか。虫に寄生をして、その虫を栄養として成長するキノコの一種です。実はこんなカッコいいトゲアリに、なんと寄生するキノコがいます。その名も「クビオレアリタケ


宿主トゲアリのクビオレアリタケOphiocordyceps satoi


トゲアリの胸部から出ている糸のようなものがクビオレアリタケです。沢沿いのじめじめした環境で見つけることができます。


トゲアリに寄生したクビオレアリタケは、トゲアリ葉脈や細い枝に噛みつかせます。嚙みついたトゲアリはそこから動けないままいずれ死にます。クビオレアリタケはそのまま成長していき、胞子を飛ばしトゲアリに寄生するというサイクルを繰り返します。


このとき、ある程度高さのある場所で胞子を飛ばすことができると、寄生できる可能性が高くなります。そのためクビオレアリタケは人の背丈ほどの高さでで見つかることが多いです。


クビオレアリタケの独特な造形がたまらん


他にもアリに寄生する冬虫夏草はいますが、その中でも、単純にいちばんカッコいいと自負しております。異論は認めます


トゲトゲで世紀末カッコいい「トゲアリ」

弱々しくも特有の存在感を放つ「クビオレアリタケ」


もはや神秘的だ。



実は、前々から探していて、ようやく初めて会うことができました。

図鑑で憧れていた生きものを見つけたときの喜びは、自然の醍醐味です。


(はかせ)


和名 / クビオレアリタケ

学名 / Ophiocordyceps satoi


分類 / ハチ目 アリ科 トゲアリ属

和名 / トゲアリ

学名 / Polyrhachis lamellidens

体長 / 7-8mm

分布 / 本州~九州、対馬、屋久島、朝鮮半島、中国

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