今日は講師をする学校の授業で、天覧山周辺をフィールドワーク。
休耕田で切り株に座って昼食をとっていると、背後でナニモノかがゴソゴソと落ち葉の上を移動する音が……。
林床を移動中のヤマカガシ。どこにいるかわかるかな!?
何かと思い、振り返ると、全長50cmほどの、ヤマカガシがいました。
「えっ、こんなに寒いのにヘビがいるとは!」
12月2日正午、天候はうす曇りで気温11度、北西の風2m。ヘビが活動するには、条件はあまり良くない、というか、まだ姿を現していることに愕然です。
今までに観察してきたヘビの中で、もっとも遅い時期に見たヘビかも。ちなみに、もっとも早い時期に見たヘビは、2020年2月29日のアオダイショウ。
とりあえず、蛇メタ師匠的にいけば、
「Rhabdophis tigrinus! 19列!」
と、雄叫びをあげなければならないかな(笑)
美しいトラ模様が目を引く
ヤマカガシの学名(種小名)の「tigrinus」は、「Tiger」からきていて、哺乳類のトラの模様という意味があります。なので、とても美しいトラ模様をしています。
種小名に「tigrinus」とつく他の生きものには、鳥類のチゴモズなどがいます。チゴモズは日本に渡ってくる夏鳥で、背面から尾羽にかけてトラ模様に見えます。
口の奥にある毒の歯(蛇メタ師匠の安全管理下で撮影、真似は禁物!)
そんなヤマカガシですが、今でこそ毒ヘビとして認知されていますが、約40年前には毒をもつことが知られていませんでした。
なぜなら、ヤマカガシの前歯にはニホンマムシなどのような毒牙はなく、毒は口の奥にある歯から流しこみます。なので、前歯で軽くかまれた場合には、毒が入らないのです。そのため、毒ヘビとして認知されなかったのかもしれません。
また、ヤマカガシには首の背面に毒腺をもっていて、その話もなかなか面白いのですが、それは蛇メタ師匠にいつか紹介してもらいましょう。
ヤマカガシは美しい!
今年はヘビの観察会が多かったので、たくさんのヘビと出会いましたが、12月に入ってからも観察することができるとは……ほんと、今年はとことんヘビについていた年だったねぇ。さすがに今年のヘビはこれで見納めかな。
(pöllö=ポッロ)
分 類 / 有鱗目 ナミヘビ科 ヤマカガシ属
和 名 / ヤマカガシ
学 名 / Rhabdophis tigrinus
全 長 / 80〜150cm
分 布 / 本州〜九州と周辺の島
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