pöllö=ポッロ
キツネノカミソリの花
8月の、暑い盛りに咲く花の中でも推しなのが、落葉樹林の林縁や土手などで朱色の花を咲かせるキツネノカミソリ(Lycoris sanguinea)。本州から九州に生育する、ヒガンバナ科の多年草です。凛とした花姿もさることながら、小生が注目してほしいのは、黄色い花粉をつけた「T字ヘッド」の雄しべ。アゲハチョウなどの昆虫が訪花した際に、よく動くT字ヘッドが体に花粉をつけます。このような仕組みをもつ植物の生存戦略が、たまらんのです。
秋に咲くヒガンバナと同様、キツネノカミソリも花の時期には葉をつけません。葉は早春に出して、落葉樹の芽を吹く前に太陽の光を浴びて養分を球根に蓄えますが、木々が若葉を出す頃には消えてなくなります。ちなみに、キツネノカミソリという物騒な名前は、春にしかお目にかかることのできない、細長く、平たくて先の円い葉の形を、剃刀に見たてたのが由来とされています。
黒マンバ
木の上で種子を食べるムササビ
車で林道を巡り、ヘビ探しをしていた時にpöllö=ポッロさんが発見!
何故発見できたか、それは道路にたくさんの種子が落ちていたからです! ムササビ(Petaurista leucogenys)の真下は道路でそこの一か所のみ種子が散乱しており「いるかも」という推理をしたとのこと。
夏は葉が生い茂り見えづらいだけで、野生動物は食べ物を求めて活動しており、ムササビも写真のクマシデの種子の他、カエデの種子やクヌギの葉っぱなど、食べている姿やフィールドサインを見ることができます。
(黒マンバ)
セロー
アワダチソウグンバイ (Corythucha marmorata)
道路の脇などでよく見かける、セイタカアワダチソウなどを食草とする本種。
その由来は、セイタカアワダチソウと同じく北米原産の外来種であり、しばしば農業害虫とされるが、その形態は目を見張るものがある。
約3mmしかないその体に、和菓子の長命寺のような繊細さと、機械式時計の機構のような緻密さを併せ持っているところが推しポイント。
数年前の写真だが、夢中になって撮影したのを思い出す。
グンバイムシのなかまは、小さいながらも美しい姿をした種類が多いのでオススメ。
(セロー)
蛇メタ師匠
いくらヘビ好きな私も飼育を拒む無毒種もいます。それがこのヘビ、タカチホヘビです。気温や湿度に気を遣ううえ、水分含有量が多いミミズを主に食べている種なので、初心者の飼育はおすすめしかねる種です。でも野外で見かけると、とても綺麗なヘビなんですよ。
(蛇メタ師匠)
はかせ
ヒグラシ(Tanna japonensis)に寄生するセミヤドリガ(Epipomponia nawai)
ある日の夜。カエルを観察していると、アンフィーのお尻にヒグラシがくっつきました。そのヒグラシをよく見てみると、お尻(腹部)に謎の白い物体が……。その正体はセミヤドリガの幼虫。
セミヤドリガの幼虫は、セミの腹部にくっついて体液を吸うと考えられています。白い物質はロウで形成されており、遠くから見てもかなり目立ちます。一匹のヒグラシに6匹ほどついている個体もいて、腹部が真っ白になっていることもありました。
寄生というと、あまり良い印象は持ちにくいかも知れませんが、数少ない寄生のチャンスを逃さず成長していく姿は、あっぱれとしか言いようがありません。
(はかせ)
アンフィー
このポーズがたまりません
幼いころから、その姿や鳴き声にずーっと触れていたセミですが、羽化のシーンをじっくり観察できたのは今年の夏が初めてでした!
幼虫の背中が開いて羽化が始まってから、「逆さ吊り状態」➡「懸垂状態」とポーズを変えます。その過程で特にかわいい!と感じたのが、「逆さ吊り」のときに上の写真のように後ろ脚をガバっと開いているところです。
今までセミといえば、ただ樹の幹につかまっている様子が浮かんできましたが、この何とも言えないかわいらしい瞬間を観てからは、セミと聞くともう間違いなく、このシーンが浮かんでくるんだろうと思います(笑)。
(アンフィー)
ガロア
九十九里浜へ海辺の生き物を観察に出かけた。砂浜で見たい「ヒョウタンゴミムシ」を探して夜の観察。波打ち際に向かって草地を歩き出したところ、足元をみるといました! ヒョウタンゴミムシが! と言いたかったけど、よく見るとナガヒョウタンゴミムシ! でも交尾のシーンが見られたので良かったことにしよう。オスがメスの大あごをしっかりとくわえて、交尾の体勢に入っている。(その後3日間通ったけど本命に出会うことはできませんでした)
(gallois=ガロア)
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