モリマナ10月! 自然・生きもの推し!
- 森のフィールド学舎 168

- 10月20日
- 読了時間: 5分
pöllö=ポッロ
接近するニホンアナグマ
夜のフィールドワークを終え、飲み物を買うためにコンビニエンスストアに立ち寄ると、駐車場にニホンアナグマ(Meles anakuma)が現れました。獲物のミミズでも探していたのか、縁に溜まった土のにおいを嗅ぎながら、トコトコトコ……。
ニホンアナグマは視力が弱いとされています。そのため、嗅覚が発達していると言われているけれど、人のニオイがするだろうに、この個体は目の前まで接近して、やっとこちらに気がついたようす。二度、三度見してから急いで戻って行きました。
黒マンバ

アオジシ谷にアオジシあり
10月13日の祝日にサトリバサポーターの方々との活動中にアオジシならぬ、カモシカが姿を見せてくれました。まさに「アオジシ谷にアオジシあり!」
田んぼから斜面を上がる姿を見たので、いつもは稲を食べているのかも?
イノシシの荒らし跡やホンドテンの糞、ムササビの鳴き声、イタチの家族、偶然会って慌てふためくホンドタヌキなど、活動をしていると哺乳類が意外といっぱい見られます。
哺乳類にとってもくらしやすい環境になっていると、いつもしている活動がもっとはかどります! 10月中旬、哺乳類を楽しめる時期となってまいりました~
(黒マンバ)
セロー
お休み。
(セロー)
蛇メタ師匠
お休み。
(蛇メタ師匠)
はかせ

ニッポンマイマイ(Satsuma japonica japonica)
微雨が降ると、草むらから丸みのある殻を持った黒いカタツムリが姿を見せました。調べてみると、ニッポンマイマイの黒い色をした個体のようです。かわいらしい名前と姿をしてますが、カタツムリは移動能力が低いため地域ごとに特徴が違ったり、同じ地域でも模様が変わったり、なかなか奥が深いようです。ちなみに成熟すると、殻が壊れにくいように入り口がそりかえるので、この個体は成熟しているように見えます。
じめじめした環境は、カタツムリのようにそこでしか見られないような生きものがいるので、なかなか面白いものです。中には、オオケマイマイという殻から毛の生える種類もいるので、観察してみたいです。
(はかせ)
アンフィー

すっかり秋を感じるこの頃。ちょうど開花のシーズンを迎えているヤマトリカブトを観察していたときでした。
「大きなザトウムシがいるぞ⁉でも、何だかあしが多いか⁇」
近づいてよく見てみたときには、思わず開いた口を押さえていました。
ザトウムシの交尾は、まるで向かい合ってキスをしているみたい❤。
写真では左の小さな方がオスで、右の大きなメスの方に白っぽい陰茎を伸ばしています。
そこから直接精子の受け渡しをするんだとか。。
また、いくつかの種では(この種はどうか定かではないですが、)交尾のときにオスがメスに栄養物質を渡す(婚姻贈呈とか求愛給餌とかいうらしい)なんてこともあり、褒美につられた(⁈)メスはほとんどオスの求愛を拒まないんだとか。。。
オスがわざわざ精包を落としてメスが受け取ったり、交尾栓で閉じたと思ったらコルク抜きのようにこじ開けたり、子孫を残す当たり前の営みでも、生きもの交尾からは実にいろいろな工夫がみられて面白いものですね!
ちなみに皆さんご存知の通り、ヤマトリカブトは全草が猛毒なので、どんなにキレイでもキス(なめたり食べたり)したりしないようお気をつけて。
(アンフィー)
タビー

秋の風にふわっと香る金木犀(キンモクセイ)。この香りが漂うと、「ああ、秋が来たんだなぁ」って心がほっとしますよね。オレンジ色の小さな花が木いっぱいに咲く姿は、派手さはないけれど優しくて、どこか懐かしい。通勤途中や散歩の途中で香りを見つけると、つい足を止めて深呼吸したくなります。短い開花期間だからこそ、出会えた瞬間が特別に感じる。そんな“秋の合図”のような金木犀が、私は毎年たまらなく好きです🍂✨
(タビー)
ももたろう

クラフトに使う材料を探してふと上を見上げると、枝にはたくさんのミツバアケビ(裂開果)が実っていました。
皮が割れると食べ頃のサイン。
ねっとりとした上品な甘さで、どこか柿にも似た味です。たくさん食べたくなりますが、種が多いのがちょっと難点……。
飲み込まずに、ちゃんと吐き出してね。
ちなみに、皮はきんぴら炒めにして食べるのがおすすめ。実際に作ってみたところ、独特のほろ苦さがあり大人の味。ʕ⁎̯͡⁎ʔ༄
アケビの種のまわりにある白い部分は「エライオソーム」と呼ばれ、脂肪やタンパク質が含まれています。
この部分が蟻への“ご褒美”となり、蟻は種を巣まで運ぶのだそうです。
(ももたろう)
ガロリアス

ヤマアカガエルを発見!
今回の推し生き物、紹介するのはヤマアカガエルです。この個体は、アオジシ谷の作業を行っている時に発見しました。アオジシ谷では、3月頃にヤマアカガエルの卵が発見されているので、そのうちの1匹なのかなと思うと、感慨深いですね。
そんなヤマアカガエル、実は冬眠とは別に、春眠というものを行います。理由は、冬早くに起きて繁殖を行うためです。寒い時繁殖を行うことで、天敵に襲われないというメリットがあります。繁殖の為だけに寒い冬に起きる……生物の本能にはいつも驚かされます。
(ガロリアス)







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