今回はイベントの報告です!
先日もまた、宮沢湖の畔メッツァビレッジで、「昆虫の標本作り」のイベントを開催しました!
だんだんと板についてきた(?)メッツァさんとのコラボレーション企画。生きた昆虫を観察し、じっくりと標本作りをすることで、昆虫のからだを理解してもらおうというのが大きなテーマでした!
お越しいただいた参加者19人は皆さん親子連れで、少し緊張気味でも元気なお子さんとそれに負けない輝いた目をした親御さんたちでした。
めっつぁ(めっちゃ)楽しむぞ~~!
やりとりをしながら挨拶をして、みんなで打ち解けたら早速フィールドへレッツゴー!
天気予報に反してとてもよく晴れたこの日は、草原に多いバッタのなかまをはじめ、日差しを受けて舞うチョウやトンボたちを、暑さに負けずに追いかけました!
親子で協力して捕まえるぞ~
「今のうちに、イキイキとした昆虫のすがたを目に焼き付けておこう!」
美しくてかっこいい標本を作るために、イメージを膨らませながら昆虫観察を楽しんでもらいました!
標本にするつもりで、優しく丁寧に扱います
お昼休憩の後は、午前中とは違った林に近い場所に行くことに。
「さっきと違う生きものは見つかるかな~?」すると、
「あっ!トカゲだっ!!」
誰かがひなたで見つけたと思うと、気づけば子どもたちのほとんどがその場に集まってトカゲ(ヒガシニホントカゲ)を追いかけていました(笑)。
トカゲを追いかける顔は真剣そのもの
トカゲ騒動(笑)の後は、セミやその抜け殻、コオロギのなかまなどを汗びっしょりになりながら、捕まえては観察しました!
暑さも忘れて昆虫観察にいそしみました
屋外での活動が終わったら、いよいよ室内で標本作りへ!
最初は私たちがあらかじめ用意しておいたカブトムシやクワガタムシの標本づくりにチャレンジしていただきました。
昆虫針という標本作り専用の針をからだ(腹部)に刺したら、裁縫用のまち針で6本の脚を整えていきました。
道端にポツンと落ちているセミを想像してもらうとわかりやすいかもしれませんが、昆虫は死んでしまうと脚の関節が曲がり縮んだようになってしまう場合もあるので、生き生きした標本を作るためにはこの作業が最も重要だと言えます。
しかし、カブトムシほどの大きさでもそれぞれの脚の、ひとつひとつの関節を意識しながら整えていく作業の細かさに苦戦している参加者も少なくありませんでした。
それでも、左右対称な昆虫の美しいからだに真剣に向き合って、標本を作る皆さんの姿がとても印象的でした!
脚以外にも、あたま(頭部)や体全体をを少し浮かせみたりして、それぞれ思い思いのカッコイイ標本を作ってもらいました!
待ち針で微調整中~
脚を整える(展足)のが終わったら、ラベル(標本名紙)を書くのも忘れてはならない大切な工程です。昆虫の種名はもちろん、採集した場所と日付、採集者などを記録して学術的な資料として価値のあるものにしてやっと標本作りが完結するんです。
ひと通り作業が終わったら、2匹目にチャレンジしたり、自分で捕まえた昆虫を(薬品でしめて)使って標本を作ってくれている方もいました!特にトンボやチョウの仲間は羽を整える(展翅)のにとても神経を使いますが、どなたも諦めずに熱中して取り組んでくれました。
とっても上手に出来ました!
今回は、昆虫針を除いて、まち針やスチレンボードなどの身近に手に入りやすいものを使って昆虫のからだをきれいに整えながら、標本を作る体験をしていただきました。
残りは持ち帰ってもらった後に、昆虫を風通しの良いところで十分に乾燥させてから、整型用のまち針を外して好きな入れ物にラベルと一緒にディスプレイすれば立派な標本の完成です!
こんな完成イメージです!
僕が考える標本づくりの面白さは、からだのつくりをじっくりと観察できることと作る人によって個性があり、ひとつとして同じものができないところです!
僕自身も、参加者それぞれの「芸術」を楽しむことができて大満足でした!
昆虫の命ひとつのことを考えればかわいそうなことかもしれませんが、広い目で見ればその場所にくらす生きものを何十年、あるいは100年以上後の後世に資料として残すことができることはとても素晴らしいことです!
皆さんに標本作りを通して、昆虫の魅力を感じて頂けたらとても嬉しいです!
ご参加いただいた皆さん、そして命をいただいた昆虫たち、ありがとうございました!
(アンフィー)
分 類 / コウチュウ目コガネムシ科
和 名 / カブトムシ
学 名 / Trypoxylus dichotomus
体 長 / 27〜55mm(♂の角を除く)
分 布 / 北海道~九州、奄美大島、沖縄諸島
分 類 / 有鱗目トカゲ科トカゲ属
和 名 / ヒガシニホントカゲ
学 名 / Plestiodon finitimus
全 長 / 13〜27cm
分 布 / 北海道ー本州東部
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