ムササビの営巣場所は、主に樹木に空いた穴(樹洞)ですが、人家や寺社の建造物に空いた穴や、樹枝上に鳥の皿巣に似た構造物をつくることもあります。
ちなみにムササビは自分で一から樹洞を掘ることはできません。、キツツキ類や腐朽菌などによって空いた樹洞を、リフォームして使います。
ケヤキに空いた樹洞巣から出てきたムササビの親子
飯能では、社寺林の大木にできた樹洞でムササビを観察する機会が最も多く、小生が観察する営巣木(スギ・ケヤキ・カシ類)の幹の多くは、直径が40〜50cm、細いもので約30cm(スギ)。樹洞までの高さは、低い位置で約2m、高い位置で約15m。樹洞の出入り口の直径は10cm前後です。
スギに空いた樹洞巣から出てきたムササビの親子
樹洞巣がスギやヒノキの場合、爪痕で樹皮がささくれるので、使用中かどうかを判断する上で、わかりやすい目安になります。
それに対してケヤキなどの場合は、爪痕がほとんど目立たない場合が多いので、使用中かどうかの判断はスギなどと比べるとちょっとばかり難しいのですが、樹洞の縁をよく見ると、真新しい齧り痕があったりします。
樹木が穴(樹洞)を塞ごうとするのを、ムササビは穴が狭まらないように齧ってメンテナンスをするのです。さすが齧歯目(ネズミ目)動物! と、改めて分類を認識する瞬間です。
ムササビの皿巣。巣材は針葉樹の樹皮を裂いたもの
これは、飯能でまれに見かけるムササビの皿巣です。
まだ、子育て用に使用しているのは見たことがありませんが、この皿巣を見た時期を考えると、繁殖期頃にオスがメスのテリトリー付近に仮宿としてつくったのかしら? と、妄想してしまいます。
日中に仮住まいで休息するムササビ
こちらは、数か月に数度使用しているのを確認しているムササビの仮住まいです。
樹洞は深くないので、日中でも巣材のスギ皮とムササビが露出しています。ここを利用している日は、前日の夜に大雨や暴風に見舞われたり、繁殖期頃に利用していることが多いように感じます。
経験上、ムササビにとって条件の良い巣は、メスが子育てに利用しますし、そもそも1頭のムササビが4〜5個の巣(仮宿も含め)を利用しているようです。
ムササビが利用する巣は、未公開の仰天するものもあります。仰天巣に関しては、追おいご紹介する予定ですので、乞うご期待! かな!?
(pöllö=ポッロ)
分 類 / 齧歯目(ネズミ目)リス科 ムササビ属
和 名 / ムササビ
学 名 / Petaurista leucogenys
頭胴長 / 27.2-48.5cm
尾 長 / 28-41.4cm
体 重 / 495-1250g
分 布 / 本州〜九州
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