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ハチにそっくり? 標識的擬態のおもしろさ

更新日:23 分前

野外で黄色と黒のしま模様をした虫に出会うと、「あっ、ハチかも」と思って、少し身がまえてしまいます。なぜなら、ハチのなかまには、毒針をもつものがいるからです。


黄色と黒の目立つ模様は、鳥などの敵に対して、「近づくと危ないよ」と知らせるサインにもなっています。こうした目立つ色や模様は、警告色と呼ばれます。


そして、自然の中には、そのハチの姿に似せている昆虫たちがいます。ハチではないのに、黄色と黒のしま模様をもち、細い体やすばやい動きまで、ハチのように見えるものもいます。


これは「標識的擬態」と呼ばれるしくみのひとつです。危険な生きものの見た目をまねることで、敵に食べられにくくなると考えられています。

左はハエ目のナミハナアブで、左がハチ目のセイヨウミツバチ


たとえばハナアブのなかまは、花を訪れる姿はミツバチにそっくりです。でもよく見ると翅は2枚で、ミツバチのメスのような毒針はありません。


左はハエ目のハチモドキハナアブで、左がハチ目のオオフタオビドロバチ


ほかにも、ハチに似たハナアブのなかま(ハエ目の昆虫)は多く、フィールドでよく見かけるそっくりさんです。



左は甲虫目のヨツスジハナカミキリで、左がハチ目のキアシナガバチ


また、ハエ目の昆虫以外にも、甲虫目のカミキリムシ類やチョウ目のスカシバ類などにも、そっくりさんはたくさんいます。


フィールドで黄色と黒の虫に出会ったら、すぐに「ハチだ」と決めつけず、少し離れて観察してみてください。


触角の形はどうかな。翅は何枚あるかな。花にとまっているかな。腰のくびれはあるかな。飛び方はハチのようかな、それともハエのようかな。


こわいと思っていた模様の中にも、生きものたちの知恵や工夫がかくれています。森や草地で出会う小さな黄色と黒は、自然がつくり出した「見た目のサイン」を読む入口です。


虫たちは、色や形で語っています。その声に少し耳をすませるように見ると、いつものフィールドが、もっとおもしろく見えてきます。



分 類 / ハチ目 ミツバチ科

和 名 / セイヨウミツバチ

学 名 / Apis mellifera

体 長 / 約13mm(ワーカー)

出現期 / 3-11月

分 布 / 北海道〜九州・沖縄


分 類 / ハチ目 スズメバチ科

和 名 / オオフタオビドロバチ

学 名 / Anterhynchium flavomarginatum

体 長 / 10-21mm

出現期 / 5-10月

分 布 / 北海道〜九州・沖縄


分 類 / ハチ目 スズメバチ科

和 名 / キアシナガバチ

学 名 / Polistes rothneyi

体 長 / 20-26mm

出現期 / 4-10月

分 布 / 北海道〜九州・沖縄


分 類 / ハエ目 ハナアブ科

和 名 / ナミハナアブ

学 名 / Eristalis tenax

体 長 / 14-16mm

出現期 / 3-11月

分 布 / 北海道〜九州・沖縄


分 類 / ハエ目 ハナアブ科

和 名 / ハチモドキハナアブ

学 名 / Monoceromyia pleuralis

体 長 / 14-16mm

出現期 / 5-10月

分 布 / 本州〜九州


分 類 / コウチュウ目(甲虫目) カミキリムシ科

和 名 / ヨツスジハナカミキリ

学 名 / Leptura ochraceofasciata

体 長 / 9-20mm

出現期 / 6-9月

分 布 / 北海道〜九州

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