5月下旬、生物調査を依頼されている東京都の某動物園で、見慣れないハゴロモの幼虫を見かけました。ふだん観察しているハゴロモの幼虫よりも大きく、姿も違和感があり、
「もしかして噂のハゴロモの外来種かしら!?」
腹部につけえたロウ物質もなんだか雰囲気が違う……。とりあえず撮影&採取して、あとで調べることに。
チュウゴクアミガサハゴロモの幼虫
尾端のロウ物質を広げたチュウゴクアミガサハゴロモの幼虫
調べてみると、東南アジアから中国に分布するアミガサハゴロモ属のなかまのチュウゴクアミガサハゴロモでした。ここ数年、日本各地で観察されている外来種のハゴロモです。
チュウゴクアミガサハゴロモの成虫
チュウゴクアミガサハゴロモの産卵痕。ロウ物質がついている
6月下旬、生物調査で同じ場所を訪れると、至る所にチュウゴクアミガサハゴロモの成虫がいました。7月中旬には、産卵痕も観察することができて、大満足。
姿を観察すると、在来種のアミガサハゴロモに似ているけれど、チュウゴクアミガサハゴロモはサイズがとにかく大きいので、見間違えることはないのかも。
アミガサハゴロモ、アオバハゴロモ、スケバハゴロモ、ベッコウハゴロモ(在来種)
個人的にハゴロモは好きなグループなので、外来種うんぬんは別として、はじめて実物を観察できたのは嬉しいかも。
アオバハゴロモ科の外来種ヘリチャハゴロモの実物はまだ観察したことがないので、探してみたいね。
分 類 / カメムシ目(半翅目) ハゴロモ科 アミガサハゴロモ属
和 名 / チュウゴクアミガサハゴロモ
学 名 / Ricania shantungensis
全 長 / 14-15mm
分 布 / 東南アジア〜中国原産
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