5月21日に開催した「川は遊びや生きものの学び場 ~名栗川リバーウォッチング~」では、魚を釣ったり、指標生物を観察したり、防災食をつくったりと、盛り沢山な内容で、ちょっぴりとっちらかった感じではありましたが、怪我も無く、無事に終了しました。
毎年、初夏になるとモリマナでは川をフィールドにしたエコツアーを行っているので、当日使用する環境教育教材づくりの素材集めや安全管理をかねて、4月から5月は、開催地に昼夜問わず何度も下見に通います。
下見をしていると目につくのが、ニンギョウトビケラの幼虫が小石などを分泌絹糸で綴ってつくったポータブルケース(可携巣)。
ポータブルケースに入ったニンギョウトビケラの幼虫
ニンギョウトビケラの幼虫は、水質が比較的良いとされる河川にすむトビケラのなかまで、名栗川(入間川)でも比較的多く見つかります。
ニンギョウトビケラの幼虫は、水中で落ち葉の破片や藻類などを食べて成長すると、このポータブルケースの中で蛹になり、羽化してはじめて水中から空中に出てきます。
ミズバチに寄生されたニンギョウトビケラの幼虫のポータブルケース
そんなポータブルケースを観察していると、リボンのようなものが伸びたものが見つかります。じつはこれ、ミズバチという狩バチに寄生されたニンギョウトビケラの蛹の証。
ミズバチは、水中に潜ってニンギョウトビケラの蛹に卵を産みつけるという、とんでもなくスゴいことを成し遂げます。
そして、孵化した幼虫が繭になると、このリボンが繭と繋がっていて、水中でガス交換(リボンで水中から酸素を取り込み、二酸化炭素を放出)を行っているらしいのです。
そんなミズバチのリボンはよく見つかるのですが、小生はまだミズバチの成虫とご対面したことがなく……今年こそとは思っていましたが、時期を外してしまった感があるので、来シーズンこそは、ミズバチの成虫が産卵のために入水するシーンを観察してみたいものです。
分類 / トビケラ目 ニンギョウトビケラ科
和名 / ニンギョウトビケラ
学名 / Goera japonica
開帳 / 15-17mm
分布 / 北海道〜九州
分類 / ハチ目 ヒメバチ科
和名 / ミズバチ
学名 / Agriotypus gracilis
体長 / 6-7mm
分布 / 北海道〜九州
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