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クガビルの同定をしよう〈苦闘〉

クガビルはヒルといっても、歯を持たずミミズや昆虫を捕食するイシビル形亜目の中でも、陸生でミミズを専門に食べるヒル類です。そう、ミミズを食べるのです。


クガビルの頭(先端の黒い点は眼)


以前、pöllö=ポッロがその魅惑の捕食シーンを紹介しているので、

興奮したクガビルがミミズをちゅるちゅる捕食するのはたまりませんね。歯を持たないクガビルですが、ミミズ相手には必要ありませんし、それよりもどのようにして吸っているのでしょうかね。んふんふ。いずれにせよ、同じ環形動物のミミズとクガビルがうねうねとする姿には、こちらまで興奮してしまいます。ミミズもヒルも好きな我輩にはエキサイティングな動画です。


おっと失礼、話がずれました。

そんなこんなで、今回は4月28日にアオジシ谷で発見したクガビルの種類を同定する内容です。


クガビル


まずは、同定するために液浸標本にします。



【クガビル液浸標本の作り方】

左の写真から

①標本前のクガビル

②エタノールにつけて動かなくなるまで待ち、麻酔状態にする。

③まっすぐに整形する。

④再びエタノールにつけて、一晩待つ

これで液浸標本の完成です。エタノールにつけることで、同定に必要な生殖器等の外部形態を観察しやすくなります。




左側が先端、右側が後端


上の写真がクガビル標本の腹側です。

ヒルは32の体節からできています。体節の中には溝があり、それを環帯と呼びます。


同定には①雄性生殖器と雌性生殖器の間の環帯数②中央体節の環帯数などのポイントを見ていきます。


①雄性生殖器と雄性生殖器の環帯数は上の写真の通りです。

 両生殖器間の環帯数は1/2+10+1/2


②中央体節の環帯数は上の写真の腎管孔を目印にしていきます。

体節ごとに腎管孔が一対ずつあるので、それを気合いで確認していきます。

中央体節ごとの環帯数は8つ



両生殖器間の環帯数は1/2+10+1/2

②中央体節ごとの環帯数は8つ

これらの情報から、今回採集したクガビルはヤツワクガビル(Orobdella octonaria)だと分かりました。きっと。おそらく・・・。さらに正確に同定するためには、標本を解剖して内部形態を見る必要があります。


既知のクガビルで中央体節の環帯数が8つの種類は、関東中部に生息するヤツワクガビル(Orobdella octonaria)と四国西部・中国中部に生息するナカハマクガビル (Orobdella nakahamai)の2種類がいます。ナカマハクガビルは両生殖器官の環帯数が1/2+11あるいは12のため、ヤツワクガビルで間違いないかと思います。


ということで難しい内容になってしまいましたが、アオジシ谷にヤツワクガビルが生息することが確認できました。次は、より正確な同定をするため、内部形態を観察したいと思います。


(はかせ)



分類 / 吻無蛭目クガビル科クガビル属

和名 / ヤツワクガビル

学名 / Orobdella octonaria

分布 / 関東中部


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