アワブキは丘陵地や山地の林に生える落葉広葉樹で、とくに沢沿いなどでよく目にします。ホオノキの葉っぱサイズとまでは言いませんが、そこそこ大きな長楕円形をした葉っぱが特徴です。枝先に集まってつく葉っぱには、並行する20〜30対の側脈がよく目立ちます。
ほぼ毎日、ルーティンで通うルート上に、アワブキの生えるポイントが3か所あります。そろそろ、アオバセセリとスミナガシの幼虫が出ている時期なので、幼虫のしわざを探すために葉っぱを見て回ると・・・・・・巣を発見! 今年も素敵な幼虫たちとご対面です。
アワブキの若葉につくられたアオバセセリの若い幼虫の巣
アオバセセリの若い幼虫は、若葉の葉表を内側にするように2つ折りにして、糸でつづり合わせて巣をつくります。この巣の特徴的なところと言えば、葉の縁にそって窓のような小さな丸い穴が複数空けられいることです。しかしこの窓って、いったい何なのかしら?
アワブキの葉先につくられたスミナガシのカーテン巣と若い幼虫
スミナガシの若い幼虫は、葉っぱの先に主脈と、食べ残した葉っぱの破片を糸でつないで、カーテン巣をつくります。カーテンというよりも、すだれと言った感じかしら。ここに幼虫がいると見事な隠蔽的擬態(mimesis)で、目をこらして探さないと見つかりません。
スミナガシ(左)とアオバセセリ(右)の若い幼虫
アワブキの葉っぱで見つかる素敵な2種のチョウ類の幼虫は、葉っぱの巧みな加工も魅力的ですが、その個性的な容姿も魅力のひとつです。齢を重ねると、もっと個性的になるので、成長がほんと楽しみ。もちろん、成虫も素晴らしい容姿です。
これからアワブキは円錐花序を出して、夏のはじめに小さな淡黄白色の花を多数つけます。花は5個の花弁のうち、外側の3個は大きくて内側の2個は小さい、なんともユニークな形をしています。また、花は甘い香りがしますので、Sweet Perfumeを嗅ぎながらの、アオバセセリとスミナガシの幼虫のしわざ探しは、幸せな時間です、よ。
(pöllö=ポッロ)
分 類 / アワブキ目 アワブキ科 アワブキ属
和 名 / アワブキ
学 名 / Meliosma myriantha
高 さ / 12mほど
花 期 / 6-7月
生活型 / 落葉高木
分 布 / 本州〜九州
分 類 / 鱗翅目(チョウ目)セセリチョウ科 アオバセセリ属
和 名 / アオバセセリ
学 名 / Choaspes benjaminii
前翅長 / 24-26mm
分 布 / 本州以南
*スペックは成虫のもの
分 類 / 鱗翅目(チョウ目)タテハチョウ科 スミナガシ属
和 名 / スミナガシ
学 名 / Dichorragia nesimachus
前翅長 / 30-45mm
分 布 / 本州以南
*スペックは成虫のもの
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