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記事: Blog2_Post
執筆者の写真pöllö=ポッロ

WANTED! 埼玉県産クロサワツブミズムシ

埼玉県つけたい昆虫は何ですか? と聞かれたら、それはクロサワツブミズムシです。


黒くて微小なクロサワツブミズムシは、日当たりが良く、常に水が滴るような湿った岩肌に生息し、そこで藻類を食べて成育する水生甲虫です。

クロサワツブミズムシの成虫。棍棒状の触角が素敵


小生が知るクロサワツブミズムシの生息地は2か所ですが、残念なことにどちらも埼玉県以外。通っている生息地が、昨年の台風19号の影響でどうなってしまったのかが気がかりだったので、様子を見に出かけてきました。


到着すると、水が涸れてしまったり、ガケが崩れた形跡もなく一安心。早速、ハ●キルーペをかけ、湿岩にへばりつき、クロサワツブミズムシを探すと・・・・・・いました、成虫と幼虫がわんさか。他にも、カワゲラ類やカゲロウ類、トビムシ類など、昨年観察したメンバーも無事確認。ほんと、生息環境が残って良かった。

1.5mmほどの水生甲虫。画像内に成虫頭、幼虫頭、わかるかしら?

クロサワツブミズムシは、強靱なクチクラ性の外骨格に覆われた、カブトムシやクワガタムシと同じ甲虫目(コウチュウ目)に分類されます。甲虫目は、昆虫類のなかでも40%を占める大きなグループで、4つの亜目*に分けられています。

*亜目……生物分類学上、目と科の間にある階級)

 始原亜目 ナガヒラタムシなど(世界に40種ほど)

 食肉亜目 オサムシやゲンゴロウなど(世界で4万種以上記載)

 粘食亜目 クロサワツブミズムシなど(世界に100種ほど)

 多食亜目 コガネムシやゾウムシなど(世界で30万種以上記載)

クロサワツブミズムシは4つの亜目のなかでも、2番目に種数の少ない「粘食亜目(ツブミズムシ亜目)」に含まれます。粘食亜目は、世界に100種ほど確認されているようですが、日本で知られているのは、今のところ、このクロサワツブミズムシだけとされています。

幼虫は三葉虫っぽくてカッコいい

埼玉県にも、クロサワツブミズムシが生息していそうな湿岩環境はたくさんありますが、残念ながら未だに見つけたことがありません。なぜ見つからないのか……それもまた、クロサワツブミズムシのオモシロいところです。

(pöllö=ポッロ)

分類 / 甲虫目(コウチュウ目)ツブミズムシ科 和名 / クロサワツブミズムシ

学名 / Satonius kurosawai 体長 / 1.4-1.6mm

分布 / 本州・四国・屋久島

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