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執筆者の写真蛇メタ師匠

The 蛇腹~腹板(ふくばん)のお話~

前回の体鱗(たいりん)に引き続き、今回は腹板のお話。

腹板は、ヘビの陸上においての前進に非常に重要なウロコで、この引掛りなども利用することがありますが、ここではそれよりもっと知っておいていただきたいのは、この腹板は、世界の多くのヘビで肋骨(ろっこつ=あばら骨)とリンクしていることです。

肋骨は背骨1個から1対(左右1本ずつ)伸びていて、先端部分は骨同士ではくっついていませんので(胸の骨=胸骨(きょうこつ)が無いのです)、肋骨のとがった先端がこの腹板にくっついています。

ですので、この肋骨を前後に動かしたり、ないしは背骨を曲がりくねらせることで、様々な運動ができるわけです。

さてそんな腹板は、これまた個体によってある程度の幅はありつつも、それでいながら枚数自体の傾向が見られます。

本州8種では、

タカチホヘビ:145〜170枚

ジムグリ:210〜225枚

アオダイショウ:225〜240枚

シマヘビ:195〜215枚

シロマダラ200〜215枚

ヒバカリ:145〜153枚

ヤマカガシ:150〜170枚

ニホンマムシ:135〜148枚

となります。

ですので、色あせた標本などで、

本州産ヘビで胴体中央部の体鱗列数が19列数で168枚の腹板がある

となるとヤマカガシ、になるわけです。


またこの腹板の構造で、ある程度は活動範囲の傾向も見られます。

例えば、アオダイショウやシマヘビの腹板は、ヤマカガシやニホンマムシなどとは違った構造の腹板をしています。

腹板の両端側が角張るようになります。

このエッジをうまく使って木登りなどをするわけですが、

このエッジをクライミングキールと呼びます。

アオダイショウのクライミングキール


また、ウミヘビの中には腹板が消失したものもいたりするわけです。


腹板もまた面白いでしょ!?


(蛇メタ師匠)


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