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手切り茅のガラス!?

手切りとは、ススキの別名です。

葉をピンと立てて、株立ちするススキ

この時期に日当たりの良い草原に行くと、勢いよく葉を伸ばすススキが目につきます。ススキは、日本の草原の優占種で、森林が伐採されるなどすると、いち早く侵入するパイオニア植物のひとつです。 ススキの葉を不用意につかんでしまい、一度や二度、手を切ってしまった経験をもつ方もいるのではないでしょうか? じつは、ススキなどのイネ科植物の葉の縁には小さなトゲが並んでいて、このトゲはガラスでできています。そのため、鋭利なガラスのトゲで、皮ふを傷めてしまうのです。

葉先に向かってトゲが並ぶ(左)・若い葉鞘にもトゲがびっしり(右

植物は、水に溶けた成分を原料にして二酸化ケイ素をつくります。この二酸化ケイ素が、ガラス(シリカガラス)です。それが葉の縁に並んでいることで、大切な葉を外敵(植物食の動物など)から守ることに役立っているのです。また、葉の中にもガラスを含んでいるので、ススキなどのイネ科植物の多くは、しっかりと葉を立てることができます。


ちなみに、植物が細胞内につくるガラスのことを、プラント・オパールと呼びます。プラント・オパールは、植物の種の違いでそれぞれ特徴的な形状をしています。                                  (pöllö=ポッロ)

分 類 / イネ目 イネ科 ススキ属 和 名 / ススキ

学 名 / Miscanthus sinensis 高 さ / 1-2m

花 期 / 8-10月

生活型 / 多年草

分 布 / 日本全国

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