フィールドワークの楽しみのひとつに、ケモノのしわざ「フン」とのであいがあります。
沢沿いの石、草地の切り株、山の境界標の上に排泄したホンドキツネのフン
フンは、排泄したヌシが確実にその場所に現れた証であり、ヌシの生態(獲物やテリトリーなど)を考察する上で、とても重要なヒントのひとつになります。
画像は全て、ホンドキツネが残したしわざ「フン」です。ホンドキツネは、フンをわざと目立つ場所にすることで、テリトリーなどをアピールします。そのため、どのようなアクロバティックな格好で排泄をしたのだろう!? という場所で見つかったりもします。
テンなどのイタチ科動物も、同じように目立つ場所にフンを残しますが、ホンドキツネのほうがより一層、フンを排泄する場所へのこだわりというか執着を強く感じます。
草地で伏せていたホンドキツネ
ホンドキツネは警戒心が強く、あまり人前に姿を見せることはしません。しかし、切り株の上に残されたフン(トップ画像中央)を見つけた草地で待っていると、ホンドキツネが姿を現しました。この草地にはニホンノウサギやネズミ類が暮らすので、ホンドキツネにとって妙々たる狩り場なのでしょう。その証拠に、フンはカルシウムを多く含む白フンです。
このように、比較的観察が難しいホンドキツネなどのケモノでも、フンを見つけてヌシの生態を考察することで、であう確率を上げることができるのです。
(pöllö=ポッロ)
分 類 / 食肉目(ネコ目)イヌ科 キツネ属
和 名 / ホンドキツネ(キツネ)
学 名 / Vulpes vulpes japonica
頭胴長 / 52-76cm
尾 長 / 26-42cm
体 重 / 4-7kg
分 布 / 本州〜九州
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