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記事: Blog2_Post
執筆者の写真はかせ

ヤマビルとblood connection

はかせが高校時代のとき、ワンダーフォーゲル部という自然を楽しみながら山を登る部活に所属していました。ある日、ヤマビルが多いという山に登っていました。ヤマビルに吸血されることを楽しみしていたのですが、結果は惨敗。他のメンバーの足には数匹のヤマビルがくっついていたのに対し、はかせの足には0匹。残念な思いをしました。


前置きが長くなりましたが、今回は、そんなはかせがひそかに夢見ていたヤマビル血を吸ってもらう」だけのブログです。下記の注意書きをよく読んでから、楽しんでいってください。


※注意 流血している写真が出るので、苦手な方は見るのを推奨しません。また、感染症を引き起こす可能性があるので、マネはしないでください。それでは、どうぞ。


血を吸ってもらう前に、ヤマビルのことについて学びましょう。

ヤマビル(Haemadipsa zeylanica japonica)


ヤマビルは体長が25~35mmほどの、吸血する陸生のヒルです。日本では60種ほどのヒルが確認されていて、吸血性のヒルは数種ほどしかいないそうです。


シカやイノシシなどの血を吸い、ときには人の血を吸うこともあります。そのため、感染症を引き起こす可能性が考えられます。しかし、今までにヤマビルにかまれて感染症になったという報告はされていません。





ヤマビルは体の前後に吸盤を持ち、シャクトリムシのように動きます。ちなみに細い方が前で、太い方が後ろです。主に哺乳類が出す、二酸化炭素に反応し、頭を振りながら獲物を探します。



それでは、早速吸血してもらいましょう!


床の上にヤマビルを放ってから、近くに右足を置き吸血するのを待ちます。


着々と足に近づくヤマビル


足の甲に乗ってきました。カワイイ!


より太い血管を求めて、太ももの方まで登ってくると思いきや……。足先に向かって動いています。


人差し指と中指の隙間へ



そして、その時は訪れました。



吸血するヤマビル。


やったぁー!ついに来た! ヤマビルが血を吸い始めました。「あれ? 吸ってる?」と思ってしまうほど痛みは全くありませんでした。


ヒルの口はY字の形をいていて、80個ほどの細かな歯で皮膚を削り取り、にじみ出た血を吸います。そのときに「ヒルジン」という物質を出し、血液が凝固するのを妨げます。ちなみに、海外では「ヒルジン」を血栓症の治療薬として実際に使っています。


わずかながら、ヤマビルとの「つながり」を感じずにはいられません。


吸血開始から10分後


10分後の様子です。ヤマビルの体が少し膨らんできました。少しつまんで引っ張ってみても、前後の吸盤でしっかりくっついていました。皮膚は伸縮性があり、とても頑丈です。まるで、分厚いゴムみたいな感じです。


「吸血しているときは絶対に離れないぞ」という意思が伝わります。ちなみに、塩をかければ、コロッと落ちていきます。


吸血開始から20分後


20分後の様子です。だんだん、ヤマビルの体がみずみずしくなっているに気づいた人もいるのではないでしょうか? 実は、吸った血液を濃縮し水分を体表から出すことで、より多くの栄養を体内に保つことができるのです。


自分の血液が吸われていることを実感します。すばらしいです。


吸血開始から30分後


30分後の様子です。くびれが無くなり、だいぶ丸っこくなりました。


吸血開始から50分後


50分後の様子です。さらに体を膨らませていきます。ヤマビルの吸血は1時間ほどで終わってしますので「そろそろかなー」と思っていると。


吸血直後のヤマビル


ポロッと落ちていきました。なんともかわいらしい見た目。吸血後は体が重いらしく、かなり鈍い動きをしていました。そして、おなかいっぱいなので熱や二酸化炭素にも反応しない様子です。


この先に流血している画像が出るので注意です




傷口の様子


傷口からは血が少しずつ流れ出ています。「ヒルジン」の効果によって、血液が凝固されないためです。何もせずに放置したら、45分後にようやく止まりました。


Y字型の傷


かまれた傷を見てみると、しっかりとY字になっています。大きさは1mmほどです。

ヤマビルの吸血観察は以上になります。


移動しようとしているヤマビル。左が頭側。


ヤマビルに人生で初めて吸血してもらった感想ですが、事前に学んだことを実際に体験し観察することで、ただ吸血されるだけでは得られない楽しみや発見がありました。血が吸われるのをじっと観察したり、血が止まらなくて「ヒルジン」を感じることができたりと、すごく楽しく貴重な経験になりました。


吸血と言っても、マダニや蚊でも方法は違うし、なかなか面白そうな世界ですね。

様々なリスクがあるのでオススメは出来ませんが、もし吸われる機会があったらほんのちょっぴり観察をしてみるのも面白いかも知れません。


(はかせ)


分類 / 環形動物門 ヒル綱 顎ヒル綱 ヒルド科

和名 / ヤマビル

学名 / Haemadipsa zeylanica japonica

体長 / 20~50mm

時期 / 4月~10月

分布 / 本州~四国、九州




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