とある奥山の林道で、こんな光景を見かけました。この1枚の画像のなかに、あるケモノが残したしわざがいくつもあります。残されたしわざと、しわざのヌシがわかりますか?
道案内で見つかったしわざ
友人に案内してもらい、久々に奥山にお出かけ。ここでは、あのケモノのしわざが観察できるとのことで、かなりの高揚感と緊張感のなか、急勾配もなんのそのでフィールドワーク。
ハルゼミの鳴き声やキツツキ類のドラミングを聴きながら、ニホンリスやニホンアナグマなどのしわざが観察できる贅沢・・・・・・ほんと、初夏のフィールドワークは楽しいね。
しばらく歩くと、比較的平らな場所に到着。ここに、あのケモノのしわざがあるとのこと。さっそく、友人にモミに残された爪痕を見せてもらう。なるほど〜画像で見せてもらったときには、ニホンジカの角研ぎ痕にも見えたけれど、実際に現場で見ると、確かにあのケモノが残したしわざに間違いなさそう。うぅ、とんでもなくカッコいい!
モミに残されたニホンツキノワグマのしわざ
そう、あのケモノとは、本州最大の哺乳類「ニホンツキノワグマ」です。地元の飯能でも、クマ棚やシダクロスズメバチの巣を掘った痕、フンなどのしわざは見たことはあるけれど、がっつりと残されたフレッシュな爪痕を見たのは、今回がお初。モミに残された爪痕や樹液の出かたから察するに、しわざが残されたのは、それほど古くはないのかも。
この爪痕だけでも十二分感激だったのですが、最後にとんでもないしわざとの出合いが待っていました。それが、はじめの「道案内で見つかったしわざ」画像です。
ニホンツキノワグマのしわざ(左上下・爪痕 / 右上・かじり痕 / 右下・フン)
食物繊維を多く含む大きな黒いフンだけではなく、その横にあった道案内にも、爪痕やかじり痕が残されている・・・・・・これは、悶絶するほど嬉しい! このように、しわざはひとつ見つかれば、必ず周辺にも他のしわざが複数見つかったりします。
でも・・・・・・どのしわざも真新しものばかりなので、さすがに周囲に注意を向けることを怠るとヤバいかも。フィールドワークは、安全第一ですからね。
(pöllö=ポッロ)
分 類 / 食肉目(ネコ目)クマ科 クマ属
和 名 / ニホンツキノワグマ(ツキノワグマ)
学 名 / Ursus thibetanus japonicus
体 長 / 1.1-1.5m
体 重 / 40-150kg
分 布 / 本州・四国
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