比企郡小川町におけるクツワムシの生息状況を確認するために、聴覚を研ぎ澄ませた夜のドライブをしてきた。
最初は一人でドライブしていたのだが、ドライバーシートは右側なので、右からの音は良く聞こえるが、左の音がちょっと弱い。パッセンジャーシートにも乗ってもらわないと、見逃してしまうともったいないなーと思い、9日はT氏、16日は黒マンバにお願いをして同乗してもらった。T氏は飛膜部にもちょこちょこ登場する、モリマナの観察会の下見やサポートなど協力をしてくれている方だ。
9日、調査時間は1時間と区切って、効率よく回ることに。近くのスーパーで買ってきたプチクロワッサンとアイスティーで腹をなだめながら、近況報告などをしながら調査開始。
池のある林縁部のポイントに差し掛かった時、T氏が「鳴いてる!」と耳を効かせて、確認してくれた。一人の時も通っていたけど聞こえなかった場所なので、両方に耳があるのは心強い。
クツワムシの鳴き声はガチャガチャガチャ……。とうるさくて良く聞こえるように思うのだが、若干遠ざかると、指向性があるのか、注意していないと耳に届かないのだ。まあ、梢でうるさくなくアオマツムシのせいでもあるとは思うのだが(汗)
その後も「5439-02-83」の民家の近くの草原で鳴き声を確認。この時は距離も30mほどで二人ともよく聞こえた。いくつか気になっているところを回り、本日の調査は終了。
翌週は黒マンバと調査をした。黒マンバには「町誌をよく読んで、いそうな場所を見当つけとけ!」と指示をしていたので、どんな答えが返ってくるか楽しみだったが、思ったよりまともに「ここにいるなら、こことこの辺を回ってみたいですね」と返答があったのでびっくり。成長したなー黒マンバ!
黒マンバの予想を確かめる前に、肩慣らしならぬ耳慣らしのために、事前に見つけておいたポイントへ。
しかし、「……」鳴いてない。
「ガロアさん鳴いてないっすね」と黒マンバに指摘されてしまった。困ったなーと思いながらも車をゆっくり走らせる。と! 「きました!」と突然大声を上げる黒マンバ!
少し車をバックさせて確認すると、「ガチャガチャ」と超小さい音でなくクツワムシを発見。ドライバーシートのみなら気付けなかったかもしれない、やるなー黒マンバ。
他の観察の時、ウスバカマキリは見つけられなかったがマツムシを見つけさせたら誰よりも早く見つけるので、黒マンバはバッタとは相性がいいのかもしれない。
前回の調査で回れなかったポイントへ向かう車中、突然「チーたら食いますか?」と黒マンバ、せっかくなので頂くことに、どうやら最近ハマっているようで「たらとチーズを分けて食べたりするんすよー。袋開けるとおもわず全部食べちゃいます(笑)。え?一口の適量ですか?一本が一番うまいっす!」とかなんとか「チーたら愛」を語った黒マンバ、その後はめぼしいポイントを回るも確認できず。今年の小川町のクツワムシ調査を終えることにした。少し寒くなってきたのも確認できなかった原因かな?
ps,一袋もチーたら食べたら吹き出物できるぞ?全く(笑)
雰囲気的にはいるにはいるけど、数はそんなに多くない。これで来年の秋のルーティーンが一つ増えちゃったなーと思うガロアであった。T氏、黒マンバ氏サンキューでした。
分類 / バッタ目 キリギリス科
和名 / クツワムシ
学名 / Mecopoda nipponensis
体長 / ♂33mm・♀36mm
分布 / 本州(関東地方以西)〜九州
gallois=ガロア
ちょっとお固く書くとこんな感じになるのかな?
森のフィールド学舎は、2000年発行の小川町誌にある情報をもとにクツワムシの確認を行った。埼玉県内のクツワムシはEN(絶滅危惧1B)とされ近い将来における野生での絶滅の危険性が高いものとされている。小川町誌の発行から20数年がたった現状の把握が必要と考え調査を行った。
調査期間は2022年09月02日・07日・09日・9月16日の4日間である。
調査方法は鳴き声が聞こえる夜間に車で通過し鳴き声が聞こえるか聞き取り確認を行った。
町誌の記録:町誌には1995年と1998年の3次メッシュコードが記録されている。
「小川町の自然 動物編」発行小川町、2000年3月31日 以下の4箇所
5439-02-62 小川
5439-02-63 中爪
5439-02-63 東小川
5439-02-73 中爪
2022年の確認場所
町誌の記録を後追い出来た場所は以下の通り。
5439-02-62 中爪
5439-02-63 中爪
5439-02-63 東小川
5439-02-73 中爪
5439-02-73 東小川
今回新たに確認できたのは以下の2箇所である。
・5439-02-83 下横田
・5439-02-82 上横田
考察:確認出来た地点はある一つの丘陵のすそ野の池や雑木林がある場所だった。同じような場所を調査したのだが、今回は確認することができなかった。個体数については、多いか少ないか考察できる情報を得ることができなかった。しかし、どの確認地点も同時に鳴いていたのは多くて10匹程度、少ない場所では2-3匹だった。
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